検査内容

心電図検査

心電図検査は心臓の活動により生じる電気的な信号を波形として記録します。心臓の微弱な電位をとらえる検査なので電気を直接体に感じることはありません。この検査は、不整脈や心筋梗塞、狭心症などの病気の診断に役立ちます。両手首・足首や胸に10か所電極を付けて検査します。

自律神経検査(R-Rインターバル)

脈拍の変動をみて、自律神経の働きを調べます。両手首・足首に電極を付けて検査します。安静時100拍の心電図を記録します。その後、呼吸負荷をかけた状態で100拍心電図を記録します。


運動負荷心電図(マスター心電図)

運動によってひき起こされる不整脈や狭心症などを調べる検査です。安静時の心電図・血圧を記録した後、専用の階段を昇降し運動します。運動後、すぐに心電図・血圧を記録します。

注意事項

上下分かれた着脱の簡単な衣服でお越しください。
ストッキング、タイツは脱いでいただきます。


ホルター心電図検査

日常生活での不整脈や狭心症の出現、無自覚の発作、睡眠中の発作の検出を目的とします。胸部に5ヶ所 電極(テープ)を貼り、携帯用記録機をつけた状態で24時間記録します。検査中は、通常通りの生活を行ってください。翌日、検査室で機械と電極をはずします。

ABPM付き・ABPMのみ

日常生活における血圧と(心電図の)変動の様子を調べます血圧測定は、1時間1回(ABPMのみ30分毎)、加圧します。

注意事項

お風呂・シャワーは、入れません。
機械をぶつけないようにしてください。
機械の台数が限られていますので、翌日はずしに来られない方は必ずご連絡ください。
ABPM(血圧計)は利き手と逆の上腕に取り付けますので、ゆったりした服装で、お越し下さい。


血圧脈波検査(ABI)

「血管の硬さ」や「下肢動脈のつまり」を調べる検査です。上腕と足首の血圧の比を測定する事で、動脈硬化の程度と下肢動脈の狭窄・閉塞を評価します。仰向けになった状態で両腕、両足首にカフを巻き、両手首に心電図、胸に心音マイクを装着します。4か所同時に血圧を測定します。


皮膚灌流圧検査(SPP)

足先にセンサーと血圧カフを装着して、血圧の変化と血液の流れを測定し、皮膚の表面の血液の流れを調べる検査です。足先の血液の循環が悪くなったときの重症度評価に役立ちます。検査時間は、測定箇所により異なります。


呼吸機能検査(スパイロメーター)

気管支喘息、肺気腫、肺炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)というような呼吸器疾患の程度の推定や診断ができる検査です。また、術前の評価などをしたりします。正確な検査データを記録するためには、ご本人の努力と協力が不可欠です。息を大きく吸ったり吐いた時の肺活量、1秒間にどの位,勢いよく息を吐き出せるか(1秒率)等を測定します。


精密呼吸機能検査 (FRC・DLCO)

呼吸機能検査と同じように息を吸ったり吐いたりしますが、さらに詳しく肺のガス交換障害やガス分布障害などの肺の機能的な検査を行ないます。上記(呼吸機能検査)の疾患の診断の推定・診断ができます。


超音波検査

腹部・頚動脈・甲状腺
心エコー・下肢動静脈

 体表面から超音波をあて、体内からの反射を画像として表します。 人の耳に聞こえない音波(超音波)を使用しているため、痛みもなく安全な検査です.。検査部位にゼリーを塗り、プローブ(超音波を発する探触子)を当てながらモニターで臓器の形態などを観察していきます。

腹部

 肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓などの臓器を検査します。

注意事項

 午前の検査時間の方は朝食を、午後の検査時間の方は昼食を取らないでください。  前日の夕食後にお腹のガスを除く薬を服用していただきます。

腎臓・膀胱

 肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓などの臓器を検査します。

注意事項

 午前の検査時間の方は朝食を、午後の検査時間の方は昼食を取らないでください。 前日の夕食後にお腹のガスを除く薬を服用していただきます。

頸動脈

 頸動脈血管の壁(内膜中膜複合体)の厚さを計測、粥腫や血腫の存在による内腔の狭窄率を計測します。また、血流速度の計測により、狭窄や閉塞の有無を確認します。

注意事項

 首の開いた服装でお越し下さい。ハイネックの襟はお避け下さい。

下肢静脈

 エコノミークラス症候群が有名ですが、痛みを伴う下肢腫脹(むくみ)などの場合や、静脈瘤がある場合に深部静脈血栓の有無を確認します。ソケイ部から大腿、膝の後ろ側、ふくらはぎまでを検査しますので、ズボン等は脱いでいただき検査用の下着に着替えていただきます。

心エコー

 心臓の形態や大きさ、弁の動き、血液の流れなどを検査します。ベッドに左横向きになって検査します。

経食道心エコー

 胃カメラと同様に細い管を口から食道へ挿入し、心臓の動きや形を観察し、血液の流れなどを測定していきます。処置室にて点滴を挿入します。検査室に移動後、のどに局所麻酔を行い、鎮静剤の静脈注射を行い、眠った状態で検査を行います。胃カメラのような直径1cmの管の先端に超音波の機械がついた管を、口から挿入します。循環器科の医師が行います。

注意事項

 昼食は取らないで下さい。
鎮静剤を注射しますので、多少フラフラするかもしれません。30~60分位は、処置室で休憩をとって頂きます。 患者さま本人の車等の運転は避けて下さい。のどに麻酔をしますので、検査終了後60分は、飲食をしないで下さい。(誤って気管に入ってしまう恐れがあります。)


運動負荷心電図(トレッドミル)

 運動によってひき起こされる不整脈や狭心症などを調べる検査です。安静時の心電図・血圧を記録した後、専用のベルトの上を歩いて運動します。ベルトは始めゆっくり動きますが、一定時間ごとに速くなり、台に傾斜がつき坂道を早歩きするような感じになります。運動後、すぐに心電図・血圧を記録します。

エルゴメーター

 専用のエルゴメータ(自転車)で運動します。一定時間ごとにペダルが重くなり坂道をこぐような感じになります。運動後、すぐに心電図・血圧を記録します。

注意事項

 運動しやすい服装で、ご来院下さい。汗をかきますので、タオルをご準備ください。 靴下は脱いで、裸足で歩きます(トレッドミル)


脳波検査

 脳細胞が活動しているときに発生する電気および磁気を記録する検査です。てんかん、脳腫瘍、脳血管障害等の診断に重要な検査です。検査は頭皮にクリームで電極を付けて横になっていただき、目を閉じて安静にして頂きます。また、深呼吸したり、部分的に点滅する光を出す負荷をかけます。

注意事項

 小児科の方は、睡眠脳波を記録します。 朝早く起こすなどして、寝不足状態にして下さい。 赤ちゃんや小さいお子様は睡眠導入剤を飲んでもらい、眠った状態で検査を行ないます。(睡眠導入剤を使用するお子様は予約時間30分前にお越しください。)


聴性脳幹反応検査(ABR)

 耳から入った音は耳の奥の鼓膜をふるわせ、その信号が聴神経から聴覚野というところまで順番に伝わり、初めて「音」として感じます。その信号の伝わる時間を測定して、脳や聴覚に異常がないかを調べます。額と頭部、両耳に電極を付けて横になったままヘッドフォンから流れる音を聞くだけですので痛みはありません。

注意事項

 赤ちゃんや小さいお子様は睡眠導入剤を飲んでもらい、眠った状態で検査を行ないます。(睡眠導入剤を使用するお子様は予約時間30分前にお越しください。)


末梢神経伝導検査(MCV・SCV)

 神経に電気の刺激を与え、興奮の伝わる速さや反応等を調べる検査です。感覚障害や運動障害等の診断に有用な検査です。手や足に皿電極を装着し、刺激電極により神経に電気刺激を行います。個人差もありますが検査部位により痛みをかなり強く感じる場合があります。


聴力検査

 いくつかの周波数の純音(低音~高音)を用いて、どれくらい小さな音の強さまで聞こえるか、オージオメーターという機械で調べる検査です。鼓膜を通って伝わる音を用いた気導聴力検査と、骨を通って伝わる音を用いた骨導聴力検査があり、難聴の種類や程度を調べます。ヘッドフォンを装着し、検査音がかすかに聞こえたところで、ボタンを押して頂きます。両耳の気道・骨導を検査します。


精密聴力検査(TTS・SISI・語音検査)

 「音」は聞こえるが、「言葉」になると聞きとりにくいといった場合に行う検査です。補聴器を作製する前には、この検査を行います。

TTS

 ヘッドフォンを装着し、自動的に音が大きくなったり小さくなったりしますので、音が聞こえたらボタンを押します。ボタンを押していると次第に音が小さくなります。音が聞こえなくなったらボタンを放します。これを、何回も繰り返し行います。この検査の記録の形から、内耳性難聴か後迷路性難聴か判断します。

SISI

 音が大きくなったことに気づいたらボタンを押してもらいます。10回のうち何回気づいたかを%で表わします。蝸牛障害の有無を調べます。

語音検査

 検査語音がどの程度の音の大きさだと何%正しく聞こえるかを調べる検査です。ヘッドホンの中から一文字ずつ聞こえます。聞こえた言葉を、用紙に記入して頂きます。

チンパノメトリ

 検査を行う耳に耳栓を入れ、ポンプによって外耳道の圧力を変えた時の鼓膜の動きをみる検査です。

耳小骨筋反射検査

 耳の中に「耳小骨」と呼ばれる小さな骨があります。耳小骨は音を内耳に伝える大切な骨で、そこに付着する筋肉は大きな音を聞くと収縮します。検査を行う耳に耳栓を入れ、反対の耳にはヘッドホンを付けます。徐々に大きな音を聞いていただき、耳小骨の動き(反射)をみる検査です。


平衡機能検査(VOG)

 めまいの時にみられる眼の不規則な動きである眼振を調べる検査です。 ゴーグルを装着し、ゴーグルの横に取り付けてあるカメラにより眼の動きを観察し波形として記録していきます。 顔を動かさずに目の前に動く指標を追ったり、暗所開眼時の眼の動きを記録します。 また、耳のなかに冷たい水を入れてめまいを起こし、眼振の大きさや左右差を調べます。 めまいは、5~10分程度でおさまりますのでご安心ください。